指導TIPS: 2018年11月アーカイブ

「どうしたら短期間で踊りが上達しますか?」

最近よく聞かれる質問である。

人に何かを聞かれたらできるだけ
「分からない」と「知らない」は言いたく
ない性分なので冒頭の質問を受けると
少々考えてしまうのである。

2018年で阿波踊りを習い始めて15年、
短期間での上達方法があれば私が既に
実践しているだろうし世の中は踊りの
名人で溢れているに違いない。

私が夢中になる阿波踊りは
四国徳島の伝統芸能であり
勝敗やスコアを競うスポーツでは
ない舞踊の一つである。

舞踊の世界においてレベルの高さや
低さを議論することはいたって
難しい。それは観る側の嗜好に
よるものが多い事、客観的基準が
存在しない事が大きな理由ではないだろうか。

しかし、実際には上手い踊りがあり
下手な踊りも存在する。この曖昧さが
こと阿波踊りの世界においては言葉だけ
では説明しづらい現状なのだろう。
言葉での説明が難しいということは
指導も同様に難しいということである。

そんな中で私が思うことは
高い技術や技を習得し自身の踊りを
上達させる為にはまず最初に正しい
理論をきちんと理解する事だと考える。

この考えがないと技術向上は
期待できない。言い換えれば練習時間を
いくら投下してもその成果としての技術習得がなく
踊りが一向に上達しなくなるのである。

人間の心理として自分のために
費やした時間が長ければ長いほど
成果がでないことを認めない傾向になる。
ダイエットや恋愛がよい例だと
思うが踊りもにもこれが当てはまる。

理論の裏付けが無い練習をするくらいなら
練習を全くしない方がよい。

私が目指す踊りの型、
憧れて追い続ける師の踊りの
特徴は思考および動作の隅々まで
その裏付け理論が存在しているからだ。
逆を言えば理屈で説明がつかなければ
その型には当て嵌らないということである。

そしてその理論を具現化した踊りは
かなり高度なレベルに在るが故に
その凄さに気づく人は少ないと思う。

以下自問自答

なぜ踊るのか?
→踊りたいから

何を表現するのか?
→歓喜

何をすべきか?
→イメージ、理論学習、反復の繰り返し

個性とは何か?
→踊りの形

不易流行

謎解きは難しいから面白い。

メモ

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技術習得までのステップおよびポイント

大きく分類すると:
①基本技術(スタート〜3年)
→楽しさの実体験(練習・出演・飲み会など)
→技術欲求(上手く踊りたい)の引き出し
→技術理論への理解→話す、見せる、やらせる

大切な事は初心者をいかにhave toではなく
want toにさせ、want toを常体化させる事。
また技術については指導側が分かりやすく
伝えることがポイントとなる。
貶し指導はNGとし褒めて伸ばす事が大切。

踊りにおける基本技術(リズム・重心作り)が
いかに大切かを分かりやすく説明する
必要がある。

②応用技術(4年目〜9年目)
分かりやすい例を挙げればウチワは
ここから。基本技術の習得とは
リズム・重心・体軸の基本を指すので
可能なかぎり手踊り練習に重点を
置くべき。この順序を間違えたり
期間を短くすると応用技術の
習得前に先が見えてしまうという
悪ケースの要因になる。

③表現技術(10年目〜ずっと)
表現については指導という指導は
不要。大切な事は常に向上する気持ちを
持ち続け、技術への拘りを意識し
追求し続けるか。

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